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5月の指針  「いのちだいじに」 (・д・`) 

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血のバレンタイン Pt2(寝台特急 あけぼの)

Pt1から続き。




桜の時期に来た時と同じ構図で撮影したのだが、再び降り出した大粒の雪にフォーカスがいってしまうと言う凡ミスを犯した。
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夕刻の通学時間にもストーブ列車があてられるが、前述の通りストーブ料金を支払うことになるので、一般乗客は連結された通常のディーゼルカーに乗る。
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このディーゼルカーは機関車で制御できないらしく、また別の運転手が乗務していた。見た目よりも遥かにコストがかかっていると思われる。

再び五所川原へ戻り、五能線へ乗り換える。
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まるで絵画のような岩木山のパノラマを車窓に映しながら列車は進む。

川部で乗り換え、青森へ向かう。カラーリングも車両自体もネオヒストリック。どこか懐かしい。
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地元の方の話では、これでも例年より雪は少ないのだそうだ。

青森駅へ到着した。地元協賛企業のミニ立佞武多がバスターミナルに並ぶ。
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後で知ったのだが海岸通りに行くと、この立佞武多が無数に設置してあってそれは素晴らしい景色だったそうだ。

即日同じ寝台列車で帰投する。
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ある意味エクストリーム。

上野へ向け出発の準備をなす「あけぼの」上り。
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青森駅では入線の際ディーゼル機関車が曳いて来た。確か「はまなす」の時もそうだった気がする。

今朝方雪や泥にまみれて到着した列車が、夕刻にはこれだけ磨き上げられてまた帰路につく。
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同じ車両を供与されたマレーシアの鉄道会社が年式の割りに程度が良いことに驚愕するわけだ・・・

この列車に乗り、眠りについて目覚めれば上野のはず・・・なのだが・・・
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最後尾電源車カニ24。ディーゼル発電機を搭載し、各車両に暖房や電源を供給している。万が一暴風雪などで人里離れた地域やトンネルの中で立ち往生した場合、この車両が乗客のまさに生命線となるわけだ。
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帰路の上り「あけぼの」は開放B寝台となった。上りは平日なら意外に空席があるようだ。
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発車後間もなく、開放Bの魔力で宴会が始まった。見知らぬ人物とも同じ時間を共有できる、2等雑魚寝の船旅にも有る意味共通するものがあるが、夜行列車はまた別の雰囲気でもある。紙コップの用途外使用は大目に見て^^
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秋田に入って乗車してきた客も加わり、普段酒など飲まないのに随分とすすめてしまった。22時になり減灯時刻になり、車掌に「早く寝ろ」みたいに言われてしまったので、話も尽きなかったが床に入った。


前日の疲れと慣れないアルコールで泥のように眠ってしまい、車内放送で目を覚ますことになった。「雪害のため、浦佐駅に停車しております。」との事。聞くと、4時過ぎ辺りから停車しているらしい。時刻を見ると既に0600をまわっていた。上越新幹線も始発から運転を見合わせているそうだ。窓の外を上越線の普通列車が雪を掻き分け走っているのが確認できた。どうやら谷川岳を越えることは無理なようだ。関越トンネルを抜けたとしても、その先の上越線・高崎線は完全マヒ状態だろう。下り「あけぼの」は既に昨日のうちに鴻巣駅で停車しているようだった。
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その後何度か同じような放送が流れ、上越新幹線は夕方頃運転開始の予定らしい。0745に3号車と8号車のドアが開放され、駅構内に出ることを許された。元々上り「あけぼの」では客扱いをしない駅ので、この時点で異例といえば異例だろう。

降りしきる雪の中浦佐駅に非常停車する「あけぼの」上り。
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既に雪もレールを完全に覆い隠して、除雪をしないと動き出せない状況にある。
この時点での駅構内の放送では、上越新幹線は1300頃運転開始の予定との事だった。

着雪おびただしい上越線下り普通列車。
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0930頃車内に戻ると、旅行継続の意向確認を車掌が行うという。ほとんどの客が東京方面への移動を希望しているので、現在使用できる北越急行から乗り継いで米原経由で東京へ向かうことが可能らしい。その選択をした乗客は足早に列車を降りていった。
しかし、運命とは皮肉なもので、先ほど私が撮影した下り列車を最後に、上越線の普通列車も運転を見合わせることになった。長岡よりの小出駅で、車両が雪を巻き込んで動くことが出来なくなったらしい。

1130頃、進退窮まった乗客達が不安げに時を過ごす駅舎内に非情な放送が。「本日、上越新幹線は上下線ともに、終日運転見合わせとなりました」
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さすがにこれには乗客達が有人改札に殺到していた。結果論になってしまうが、あと2時間早く旅行継続意向の確認をしていれば、また状況は変わっていただろう。

”ぜんぶ雪のせいだ。”



1215、車内に食事を提供するとの放送が流れた。JRの事務方社員が缶詰パンを次々と運び込んでいる。
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先頭車両から順に配るということで、しばらく待ったが一人一つづつお茶とパンが配給された。正直なところ前日から遅延を見込んで食料は余計に買っておいたのと、駅構内でも買い物が出来たので食事に困ってはいなかったが、JRの心遣いに感謝した。
同席していた男性が、むしろ車掌が腹を空かしているだろうと、おにぎりの差し入れを手渡していた。本来とっくに勤務時間は終了しているのだろう。状況的に寝るわけにもいかず、疲労困憊の様子だった。


1330、突然外に動きがあった。電気機関車を長岡がわに付け替えるという。
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車掌の話では、列車は青森方へ向け移動するとの事。迂回路をとる乗客は代行バスなどで移動するが、希望者はこのまま青森までこの列車で引き返すと言う。にわかに信じ難い話だが、下り列車は既に運転取り止めとなったらしいので、この列車はいづれにしろ青森に帰るのだろう。もとより私は運転取り止めになるまで乗車していようと思っていた。


1400、突然事務方の社員が回送を告げにやってきた。乗車継続は出来ないのですぐに下車してくれとの事。やむを得ず移動を続ける乗客以外は、JRが手配した越後湯沢のホテルで宿泊になると言う。
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情報が錯綜し続けてどうなるかと思ったが、これで落ち着くようだ。

不安を胸に代行バスを待つ「あけぼの」難民。どうやら半数以上が越後湯沢ステイを選択したようだ。
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全く雪も止む気配が無い。

越後交通のセレガ3世代がフリートする代行バスに乗り六日町経由で越後湯沢に向かう。六日町で北越急行に乗り換え、米原経由で東京へ向かう乗客を降ろすためだ。
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さらに悪化していくこの状況で彼らは無事に東京まで辿り着けるのだろうか・・・

到着した宿はなんとウィンターリゾートホテルで名高いNASPAニューオータニだった。しかしここは残念ながら併設ゲレンデがスキー専用。
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スキーでもいいからナイター滑る!と思ったが、大雪のためナイターは中止となった。さすがにもう外へ行く気力も無く、館内で大人しくする事にした。

食事もセットされていた。バイキングディナーだったが、何を食べたのかすら良く覚えていない。それほど常軌を逸した一日だった。
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翌朝、「あけぼの」の乗車券のままだったが、既に改札へ話が伝わっていたようでそのまま新幹線に乗ることが出来た。
それほど酷い遅延も無く、なんとか家路へつくことが出来た。

しかし心残りなのは、終点まで行けなかったのと、幻の青森回送乗車が出来なかった事だが、記録的大雪の大混乱の中無事帰って来れただけよしとしよう。

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  1. 2014/02/25(火) 10:25:25|
  2. 搭乗/乗船記
  3. | コメント:1

血のバレンタイン Pt1(寝台特急 あけぼの)


2014年春のダイヤ改正で定期運行が終わる「あけぼの」に乗車した。

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上野駅13番線は袋小路のため逆進で入線してくる「あけぼの」
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昔は上野から東北方面へ何本も夜行列車が走っていたそうだが、現在は実質この「あけぼの」だけ。同じホームから出発する「北斗星」や「カシオペア」も北へ向かうが、青森で下車することは出来ない。
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平日にもかかわらず沢山の見物客がホームを訪れている。3月14日の定期最終列車はどうなるんだろうか・・・
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B寝台「ソロ」で一晩を明かす。開放Bと同じ料金で個室が使用できる。しかし注意したいのがこの個室は喫煙可というところ。タバコを吸わない人は若干気になるところだろう。
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すでに夜も更けているがいまだに都会の空気の中を走る。寝転がりながら騒がしい日常を横目に黙と目的地へ進む、夜行列車独特の車窓だ。
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折りしも世間はバレンタインデー前日。上野駅で割引販売されていたチョコクッキーと夜食として購入したサンドイッチを食する。

めっきり見ることが減った水サーバー。以前は新幹線にも存在した。この紙コップを作っている会社も随分と生産量が減ったことだろう。
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B寝台「ソロ」車両の通路。一見単なる並列に見えるが、一段上がった部分があり2階建てになっている。2階席は屋根までまわり込んだ窓のおかげで開放感があるが、実際のスペースは下段の方が広いようだ。
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一眠りの後、気づくと余目駅に到着したところだった。山形や秋田で一日めいっぱい遊びたい人は、物凄く重宝する列車だったろう、実際いくつかの駅で下車した者がいるようだ。一度酒田や羽後本荘で降りてみたかった。村上0318時ってのも強烈だが。
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秋田駅で若干の停車時間があるため、駅弁を買うことが出来た。今では珍しいホームでの立ち売りが秋田では行われている。車内での案内は無かったが、4号車付近でスタンバイしているのを確認できたのでスムーズに購入できた。迷わず比内地鶏めし弁当をチョイス、雪の八郎潟を眺めながらの朝食となった。
予約をしておけば大館でも購入出来るそうだ。
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羽後本荘より先は「立席特急券」扱いで空いている開放B寝台を座席として使えるので、それなりに乗客が乗る。これが結構秋田からの利用者には重要だそうで、通勤や新幹線の連絡に重宝してるそうだ。
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寝台を座席仕様にしてみようと色々試してみたが、どの形態が正解なのか解らず仕舞いだった。

急に晴れてきたのと、本来の行程だった太平洋フェリーが低気圧の発達で欠航になってしまったので、急遽津軽鉄道のストーブ列車を見に行くことにした。即日帰投するための上り「あけぼの」の切符も弘前で手配できた。
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残念ながら下り「あけぼの」は通しで乗ることが出来なかった。

五能線へ乗り換えて五所川原へ向かう。
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デッキが広く、内扉のあるいかにも北国仕様の列車。
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五所川原で乗り換える。津軽鉄道のホームへは改札を通らずそのまま乗り換えられる。JRの切符の行先が無い。
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ホームには観光案内のアテンダントさんが準備をしていた。

列車の中はいかにも手作りなバレンタインデーにちなんだ装飾が施されていた。しばらくしてまた同じ列車に乗ったのだが、意向がわからなかったのかそもそも気にしていないのかソロのご老人が自然にこの座席に座っていた。いや、密かに楽しんでいたのかもしれないが。
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発車してしばらくするとアテンダントさんが車内でチョコレートを配り始めた。ここ何日間か企画として行っていたそうだ。
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サギの活動時期でもあるらしく、それにかけた振り込めサギ防止運動のチラシも一緒に渡されて複雑な気分になった。

途中駅で下車し雪原を走る列車を撮影する。
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一般乗客用のディーゼルカーに曳かれるストーブ車両。

入れ替わりで来たストーブ列車に乗る。時代を感じさせる客車に、熱源の気配、何故か魚介系の匂いが印象的な車内。
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本物のストーブが焚かれる車内。薪ストーブなので、頻繁に係の方がくべに来る。ストーブ客車に乗る為には300円のストーブ料金を払う事になる。
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車内販売ワゴンもあった。魚介の匂いはこのワゴンで売られている”スルメ”を客がストーブで炙っている為だった。やってみたかったが、すぐにまた下車するのとのどが乾きそうなのでリンゴどら焼きを購入した。
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以前桜の時期に来た「芦野公園」で下車し、太宰治ゆかりの旧駅舎を使用したレストラン「cafe駅舎」で昼食を摂る。
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馬肉を使用しているという激馬かなぎカレー。コシのある馬肉と若干濃い目のルウが私好みだった。
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今回唯一のeat in食事となった。


血のバレンタイン Pt2に続く・・・


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  1. 2014/02/21(金) 00:17:44|
  2. 搭乗/乗船記
  3. | コメント:3

クルーズフェリー飛龍21 pt.3

船上での3日目を迎えた。30時間以上連続してフネに乗っている。
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台風がさらに近づいてきているが、夜空は良く見えた。昨日以上に天の川が良く見える。

喜界島から昇る朝日。
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右舷側には奄美大島がその姿を横たえ、視界に入り始めた島々にどこか安堵を覚える。

船内に戻ると詳細な航海予定が掲出されていた。
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やはりこういうのは見ているとワクワクする。GPSやレーザー測距がスタンダードの現代航海においても、灯台は重要な役割を担っているのを実感する。





船内のポスターに在りし日の「ありあけ」を発見した。
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マルエーの各航路・関連施設紹介のポスターだが、東京~沖縄航路はしっかり飛龍21が上貼りされていた。

デッキプラン。
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デッキプランは毎度乗船後すぐに記録するのだが、唯一箇所だけ各室の愛称入りで掲示されていたのを後から気づいた。当然現状に合わせて”テプラ”更新されている。有村時代の特別室=現1等、特等室=2等寝台、1等室=2等となっている。ちなみに船舶電話は自由に使える電話機が見当たらなかった。外洋で外部と連絡する場合はカウンターを介するのだろう。

昨日と同じ、おにぎり+サンドイッチの朝食を済ませデッキに出ると既に南国の空気に包まれていた。
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遊歩甲板は全て木貼りになっている。転倒事故が減少する反面、維持に手間がかかると思われる。最上部は四面を遮蔽されたデッキになっており、ヘリパッドを兼ねているが救難ヘリコプターのランディングは無理だろう。要介護が発生した場合にはストレッチャー>ホイストとなるのだろうか?

かなり距離があったが、寄港地の与論島へ向かうマリックスラインの「クイーンコーラル8」と対航した。鹿児島~沖縄航路のマルエーフェリー競合会社。
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このときはまだこの会社のフネで帰るとは思っても見なかったのだが・・・

ついに沖縄本島沿岸に到達した。
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蒼い海、珊瑚礁。しかし今回海遊びは全く無い。夏の沖縄なのに!

昼食はカツカレー。740円。
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カレーが530円という破格だが、カツを乗せると割安感が減少する。

食休みと下船準備のため部屋に戻る。40時間以上も軟禁状態にあった部屋。
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シャワーはあるのだが、シャンプーなどの据付は無い。コンセントも実質2箇所しかないので、他人とシェアする場合は配慮が必要だ。

1430時那覇新港入港。
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既に台風15号の勢力圏に入りつつあり、風も非常に強くなってきた。那覇空港へアプローチする旅客機が上空を通過する。

那覇新港でもタグの介添が入る。
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入れ替わりで琉球海運のRO船「みやらび2」が出港していく。沖縄の物流トップである琉球海運の赤いコンテナはエリアのどこにいても目にする。

定刻1500時着岸。ついに44時間1700kmに及ぶ船旅が終わる。
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有明埠頭同様に徒歩乗船客はギャングウェイを使うのだが、待合所まで距離があるのと、安全面の配慮から待ち構えている関連会社のキャラバンで送迎される。最後まで軟禁状態だ。

那覇新港突堤に着岸した「クルーズフェリー飛龍21」と大阪から既に到着していた「琉球エキスプレス」。
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台風の接近があったにもかかわらず航海は順調だった。しかしそれも数少ない人数で安全運行を履行しているクルーのおかげだろう。前便である東京への上り便は、なんと2時間繰り上げで出港している。公共交通機関で時間を繰り上げて出発するのはあまり聞かないが、それだけ沖縄の台風の中出港するのはリスク判断が難しいのだろう。
この後台風15号が本島を直撃し沖縄周辺の船便は軒並み欠航となった。

マルエーフェリー「クルーズフェリー飛龍21」東京~沖縄直行便の航跡。
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数多く国内フェリーに乗船してきた私だが、ここまでストイックな船旅は初めてだった。44時間という航海時間もそうだが、寄港なしや往来する船すら僅少な外洋航行で変化の少ない景色、簡素な船内設備・サービス、全個室の殺風景な客室、どれをとってもフネ好き以外の人に薦められるものではない。しかし、便利・楽・速さ・安さを追求してやまない現代の交通機関において、このような航路が残されていること自体奇跡でもある。そして我々はその残された奇跡を体験し、楽しむ。こういった趣旨の旅もあって良いのではないだろうか。


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  1. 2013/09/15(日) 03:29:38|
  2. 搭乗/乗船記
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クルーズフェリー飛龍21 pt.2

翌朝0530時、目を覚ますと日の出が間近だった。甲板に出て登る陽を眺める。GPSの現在地は三重沖を指している。「ありあけ」はこのタイミングで異常発生したのだろうか。
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陸が見えない外洋では、天体と気象くらいしか外の変化が無いので、貴重な瞬間でもある。折りしも台風15号が接近している時であり、辛うじて雲に切れ間はあるが風はかなり強い。元々これほどの外洋では風は強いのかもしれないが。

情報を得るためにエントランスに戻る。
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随分とざっくりした情報ボードだ。本来の航路は大隅半島の志布志、奄美大島の名瀬に寄港するのだが、今回は那覇直行なので全くの情報なし。しかし、クルーは台風が近づいている中、安全な航海を全うするために刻一刻変わる沢山の情報と格闘しているのだろう。

0700時、朝食食券の販売が始まるとの船内放送が流れる。
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エントランスカウンターで食券が販売され、注文数の食事をレストランで提供する。合理的である。どのみちフネの中からは出れないのだし、時間を客があわせれば良いだけの話。作り置きして洋上で貴重な水や食材を無駄にすることも無い。それも含めての低価格で提供されているのだろう。待ちきれない客への配慮か、おにぎりの販売もあった。100円にしては大きいおにぎりだが、具は入っておらず、塩もみしたワカメが和えてある。

食事の用意ができた旨の放送が流れ、レストランがオープンした。
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元々はもう少し高級志向なレストランであっただろう、装飾煌びやかなエントランス。

座席数は旅客定員が全て座れる程の容量があった。
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椅子は固定されてなく、嵐のときは大変なことになるだろう。

麦茶サーバーが提供される。
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素朴なサービスだがありがたい。

サンドイッチ朝食は320円。
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一応トーストしてあり、具も一般的なものだ。

レストラン内に荷扱者もしくはクルー用と思われるスペースがあった。
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隔離しているのは前述のような棲み分けもあるが、感染症防止の為でもあるだろう。実際に外航クルーズ客船でもインフルエンザや腸炎などの集団感染が起きているので馬鹿には出来ない。船上での蔓延は脅威だ。

「hiryu club lounge」
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レストランに併設されたラウンジ。現在は使用されていないようだ。

客室通路。左右に寝台室のドアが並び、突き当りの船首側には一等室、展望ラウンジがあるが、ラウンジは現在キープアウトとなっている。
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柄をあしらったカーペット敷きになっており、やはり持って生まれた素養が一般のフェリーとは違う。逆を言えば現在の客層・サービスとは明らかにミスマッチになってしまっているフネである。「たかちほ」と対になる高効率な貨物RORO船が就航すれば、一般旅客がこの航路を利用できる機会も無くなってしまうだろう。

昼食は気分が乗らずカットした。午後になり波は2mほどあり風も強いが、フィンスタビライザの恩恵で横揺れはさほど感じない。
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船旅も20時間を経過し、さすがに外の景色も飽きてくる頃だ。

ビール自販機も、オリオンがあり沖縄テイストだ。
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しかし、酒を飲む気にもなれない。

元々はカウンターバーだったスペース。
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現在は飲食の提供は無く、乗客が留置していったと思われる雑誌や文庫が置いてあり、閲覧することが出来る。夜間帯は利用できない。

中央部階段には、”飛龍”をモチーフとした木彫りアートが飾られている。
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台湾まで行っていた事を考えると、納得の行くデザインでもある。

夕食。
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「日替わり定食」値段は失念したが700円位。ちょっと物足りなかったので冷凍食品の自販機で焼きおにぎりも食べた。

ファンネルと星空。天の川が天面に横たわっている。
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夜になりよく晴れた空が顔を出した。既に緯度は屋久島と同じ辺りまで南下している。

”終日クルージング”初体験だったが、船旅に興味ない人にとっては苦痛でしかないと思う。これが高級クルーズ客船なら色々なイベントなどで退屈しないのだろうが、私が求めてるのはそういうのではない。公共交通機関としての終日クルージングなど、抜港や遅延しない限り国内ではこのフネこの便でしか体験できない。そこに価値が見出せないなら時間と金の浪費にしか見えないだろう。

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  1. 2013/09/12(木) 00:03:49|
  2. 搭乗/乗船記
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クルーズフェリー飛龍21 pt.1

国内定期航路最長である東京~沖縄航路の「クルーズフェリー飛龍21」に乗船した。


元有村産業のフネで、かつては大阪~沖縄~台湾という国際航路に就航していた。しかし、有村の倒産により係船されていたのだが・・・
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東京~沖縄航路のマルエーフェリー「ありあけ」が2009年に三重県沖で転覆事故をおこし解体破棄され、その代船として傭船された。ちなみに先代の「ありあけ」も2009年にフィリピンで同様の転覆事故をおこし失われている。フネの世界では大いに”ゲンを担ぐ”ので「ありあけ」という船名は今後フェリーで使われることは無いだろう。

近くで見ると既に船体の傷みも激しい。
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船齢が20年近いのもあるが、やはり外洋を荒波に揉まれ続けたという感が滲み出ている。徒歩乗船は船側のギャングウェイで行う。

現在のところ提供される客室は寝台のみ。以前は2等座敷も存在したようだが、今はキープアウトとなっている。
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部屋には鍵がかかるようになっている。2等寝台を選択した場合1室占有になるので、もし一人で使いたい場合は追加料金を払う必要がある。「HIRYU」の”R”が国際信号旗で表されている。船の旅を実感させられる表現だ。

エントランスカウンター。
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一般の乗客が少ないのを見越してか、フロアクルーは3名ほど。カウンターに誰かがいる時間は少ない。一応部屋には内線電話があったのでほとんどカウンター自体に用事は無いが。

ショップ「まりんまりん」。
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今回は那覇への直行便であるため、一度出港してしまうと44時間ものあいだ外界と隔絶される。しかし有人サービスはこのショップとレストランだけ。販売品目もかなり限られており、カップラーメンが2種と菓子類・飲料、タオルや洗顔などの雑貨しかない。

ブルーシールアイスのサーバー。ブルーシールは沖縄のポピュラーなアイス。
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沖縄に着く前に船内で一足早くブルーシールを食べることができる。しかし、チョコアイス一種類しか無かった。

船内の各所に「石巖當(いしがんとう)」が配置してあった。石巖當は沖縄の風習であり、通路などの突き当たりには悪いもの(悪霊?)が溜まったりするので、魔除けのような役割としてT字路などに設置する。
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船籍も那覇、もうすでに船内は沖縄なのである。

レストランの案内。
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夕食は船内レストランをアテにしていたのだが、19時出港の時のみ初日の夕食営業は無いとの事。さらにストイックな船旅の始まりとなった。

「レキオホール」。
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国際航路として台湾へ航海していた頃はその名の通り”クルーズフェリー”だったらしく、ダンスホールが存在する。かつては映画等の上映もあったのだろう。現在サービスは無く、キープアウトとなっている。

展望ラウンジ。
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数少ないパブリックスペース。この日一般乗客は10人に満たず、あまり人が座っている事は無かった。

喫煙スペース。
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しっかりと分煙されているのは有難い。コンセントの配置等から、以前ゲームコーナーだったことがうかがえる。

寝台個室にもシャワーがあるのだが、開放されたシャワールームもある。
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しかし、こちらはトイレ個室の並びにあり、心情的に使いづらい。また、シャンプーなどの据付は無い。

ツーリストキャビン(二等座敷)はおそらくクルーか荷扱者のスペースとなっている。
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彼等は寝るのも仕事なので、むやみに立ち入って起こしたりしない事。

定刻1900時出港。
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港内が狭いせいか、タグの介添が入る。船内は高級感がある造りなのに対して、後部甲板は無骨なクレーンと海上コンテナが配置され、なんとも言えないギャップを生み出している。これがこのフネの魅力でもあるのだが。

週末で賑わうパレットタウンの喧騒を背に、誰に見送られる事も無く東京港を静かに出港する。
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国内でこれ以上無いストイックな1700kmの船旅はこうして始まる。

漆黒の東京湾に滑り出す。
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こうして見ると煌びやかなゲートブリッジの電飾も何故か物悲しい。




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  1. 2013/09/11(水) 08:19:15|
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T-2C/E Buckeye Revell 1/72(完成!) (6)
三菱MU-2A ”航空自衛隊40thアニバーサリー” ハセガワ 1/72(完成! (9)
KV107II-5 航空自衛隊創設40周年記念塗装機 フジミ 1/72(完成!) (7)
F-16C サンダーバーズ ハセガワ 1/72(完成!) (4)
JAS39 グリペン タミヤ 1/72 (完成!) (9)
三菱 F-2A アイドルマスター 双海亜美 ハセガワ 1/72(完成!) (3)
Su-27 フランカー ICM 1/72(完成!) (12)
MH-53E シードラゴン Sea Dragon イタレリ 1/72(完成!) (10)
ニチユ プラッター 15(リーチリフト) アオシマ(完成!) (5)
Arado Ar.E555 Revell 1/72(完成!) (9)
F-16CJ アイドルマスター 双海真美 アカデミー 1/72(完成!) (4)
オーラシップ ゼラーナ バンダイ 1/550(完成!) (9)
ダッソー ラファールC ホビーボス 1/72(完成!) (5)
F-21A ライオン (IAI クフィル) ハセガワ 1/72(完成!) (8)
ノースロップMDD YF-23 ブラックウイドウ ドラゴン 1/72 (完成!) (6)
F-16I sufa スーファ レベル 1/72(完成!) (5)
ドイツ軍用重装甲列車 Nr.51 トランペッター 1/35(完成!) (7)
日産 ジェネシスオート R30 スカイライン アオシマ 1/24(完成!) (4)
ヤコブレフ Yak-28I ブリュワーC 1/72 エーモデル(完成!) (11)
ヴォート XF5U-1 フライングパンケーキ 1/72 ハセガワ(完成!) (7)
サーブ  J35J ドラケン ハセガワ 1/72(完成!) (6)
ボーイング  CH-47J(LR) レスキューバード ビー. 1/72(完成!) (12)
ノースアメリカン  F-100D スーパーセイバー トラン. 1/72(完成!) (8)
ホーカー・シドレー バッカニアS.2B エアフィックス 1/72(完成!) (10)
BAC TSR-2 エアフィックス 1/72(完成!) (5)
グラマン E-2C ホークアイ 航空自衛隊 50周年記念 スペシャルペイント ハセガワ 1/72 (9)
川崎 T-4 ブルーインパルス ハセガワ 1/72(完成!) (7)
F-4EJ改 302SQスペシャル 2010 ハセガワ 1/72(完成!) (4)
富士 T-1A/B ハセガワ 1/72(完成!) (7)
新明和 US-1 レスキューバード ハセガワ 1/72(完成!) (29)
UH-60J(SP) レスキューホーク ハセガワ 1/72(完成!) (6)
Sukhoi Su-50(T-50) PAK-FA ZVEZDA 1/72(完成 (5)
Mig-23ML "フロッガー" ZVEZDA/イタレリ 1/72(完成!) (8)
Kamov Ka-29 Helix-B Hobby Boss 1/72(完成!) (3)
Yak-141 "Freestyle" ART MODEL 1/72(完成!) (1)
T-33 シューティングスター 航空自衛隊 Sword 1/72(完成!) (3)
ロッキード・マーティン F-16E ファイティング ファルコン 1/72(完成! (11)
コンベア F-102A デルタダガー アメリカ極東空軍 ハセガワ 1/72(完成 (13)
マクドネル・ダグラス TA-4J/F スカイホーク フジミ 1/72(完成!) (8)
ボーイング F-15I ストライクイーグル ’イスラエル空軍 ラーム’ ハセガワ 1/72 (7)
グラマン F-14A トムキャット ホビーボス 1/72(完成!) (5)
トヨタ JZX100 チェイサー 2.5ツアラーV 後期型 アオシマ (完成!) (2)
デ・ハビランド・カナダ DASH8-100 琉球エアコミューター プラッツ 1/72 (5)
デ・ハビランド シービクセン FAW.1 サイバーホビー 1/72(完成!) (6)
ノースロップ F-5E タイガーII ホビーボス 1/72(完成!) (3)
Transport Allianz C-160 TRANSALL EloKa/NG Revell 1/72 (7)
ロッキード F-104G スターファイター CCV ハセガワ 1/72(完成!) (3)
Mikoyan Gurevich MiG-23 PD ART MODEL 1/72 (1)
AMD MIRAGE5 BA/BR PJproduction 1/72(完成!) (11)
TEMCO TT-1 Pinto "US Navy Jet Trainer" special hobby 1/72 (6)
Grumman F9F-2P Panther HobbyBoss 1/72 (5)
Sukhoi Su-30MKK Flanker G Trumpeter 1/72 (10)
F-15C DIGITAL FLANKER Hasegawa/TWO BOBS 1/72 (11)
RSF-X 彩雲II ハセガワ 1/72 (9)
瀬戸内海奇行 (5)
アントノフ An-124 ルスラーン モデルスビット 1/72 (1)
シコルスキー SH-3D シーキング サイバーホビー 1/72 (3)
瀬戸内海奇行2 (0)
ユーロファイター タイフーン 複座型 ハセガワ 1/72 (6)

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